食事から毒素をつくらない食べ方10か条

体に良いものでも食べ方次第では毒になる

いくつになっても若々しく美しく、元気で生き生きと暮らしている人。

そういった人は、自然に「正しい食べ方のルール」が身についていて、それを守って暮らしています。

逆に、生活に支障が出るくらい不安になりやすい、潔癖、年齢より老けて見える、イライラしやすい、疲れやすい、体が重いなど、何かしら心身に不快な症状がある場合は、消化の力を健全にして、未消化物による毒素をつくらないための食べ方10か条で、若さ・健康(美)を取り戻すことができます。

体に良いものでも、食べ方によって消化力を落として毒素となってしまいます。

そうしないための食べ方をまとめました。

難しいことではないのですぐに覚えられると思います。太文字だけ読んでいただいてもかまいません。

ここでいう「消化力」については、健康(美)のための消化力ーガンも肌荒れも精神疾患を治すもの消化力からーをご参照ください。


食事から毒素をつくらない食べ方10ヵ条


1)食事の時間を決める

規則正しい生活をしている人にとって難しくないものですが、これが一番大切です。

胃の中に前の食事が残っているのに何か新しいものを食べると、胃の中で消化したものとされていないものが混じってしまいます。

消化にバラつきが出て未消化物(毒素)をつくってしまいますので、前の食事が完全に消化されるまでは何も食べないことが大切です。

毎日同じ時間に食事をすると、食事の時間が近づくと消化液の分泌が促されて体が消化の準備を整えられます。

食事の感覚は3~4時間あけましょう。

ただし、食欲ないときはムリに食べないでください。夜は就寝の3~4時間前までにすませます。

※ アーユルヴェーダの古典書には「食事は1日1回」と書かれている箇所もあります。現代人よりも体を動かすことが多く、消化力が強く、食物に生気があふれていた時代のものなので現代の考えと違います。ただ、1日1回の食事で快適でいられる人は自分のルールを大切にしましょう。

アーユルヴェーダでは、どの時間帯に何を食べるといいのか体質によって違うと考えます。それについては次回書きます。

私の基本の食事時間は、6:20くらいに朝食、9:30くらいに軽いおやつ、13時くらいに昼食、17時~18時に夕食です。

お昼と夕食の間が長く、空腹がひどい場合は15時~16時の間に軽食(おやつ)ととることをお勧めします。


2) きちんと消化される分量を食べる

老化防止や健康(美)にいい腹八分。アーユルヴェーダではそれより少しすくない7.5分を推奨しています。

人によってどれくらいの量が腹八分か一概に言えませんが、食べたらエネルギーが満ちる感覚があって、3~4時間後にきちんと消化される量であれば腹八分でも7.5分でもいいのです。食べて体が重くなったり、眠くなるのは食べ過ぎの目安になります。また糖質が多い食事も眠気やダルさが出るので、糖質過多な食事か見分ける目安にしてみてください。

3)作りたてのものを食べる

消化酵素は体温に近い温度で一番活性化します。

冷たいものを食べると、消化の火が弱まってしまい、便秘やガスの原因になることもあります。

体温を下まわる温度のものは消化力を弱めてしまいますので、温かいできたてものを食べることが未消化物(毒素)をつくらない食べ方の基本になります。

また、温かい食べ物は冷たいもの(冷えたもの)より味付けが薄くすんでより健康的です。

アーユルヴェーダでは、作りたての温かい食事は心の質を清らかにするためにも重要であると考えます。

ヨガの聖典でも「精神的な純粋性を守りたい人は、作ってから3時間以内のものを食べるように」と説いています。

前の日の残り物、冷凍食品、レトルト、缶詰ばかり食べる人は、落ち込みがちになったりウツっぽくなったり、気力が落ちて怠けがちになったりすることが少なくありません。食べるものは体だけでなく心もつくっているのです。

4)食べる速度は速すぎず遅すぎず

前回の記事で良く噛むメリットについて書きましたが、よく噛むと食べる速度がちょうどよくなります。

早すぎてよく噛まなくても、遅すぎてバラつきがあっても、消化が悪くなります。

食事の目安は大体20分くらいが適当です。

コース料理などを食べる際は遅すぎになってしまいますが、毎日でなければそれはそれとして楽しみましょう。

5)ネガティブな感情で食べない

怒り、不安、心配、悲しみなど、ネガティブな感情は消化力を弱めてしまいます。

消化の様子を観察した研究で、怒りによって胃に血液がいかなくなって胃の働きが一気に落ちるという論文があります(「遺産と消化の生理学」ウィリアム・ボーモント)。食事の時はいったん感情をリセットして、食べることを楽しむことが大切にしましょう。それに、おいしく食べていると気分も良くなってきます。

6)作った人の気持ちは大切

同じ材料、同じ調味料、同じ調理法で作っても、味が違うという経験をしたことはありませんか?

私はけっこうあるのですが、アーユルヴェーダでは料理を作る人の気持ちが料理の質に大きく影響するとされています。

量子の世界を考えたら、不思議でもなんでもないなと思うのです。

適当に作られた食事、怒りながら作られた食事、優しい気持ちで作られた食事・・・味が違うのです。

禅寺にいるとき、食事は食事に集中して食べるのも修行の一つでした。

アーユルヴェーダでも、食事をするときは食事に神経を集中させて食事を楽しむようすすめています。

消化もよくなり、食べ物の力を存分に体に取り込むことができるからです。

7)満足感を大切に

嫌いなものを無理に食べなさいという教えはアーユルヴェーダにはありません。

無理に嫌いなものを食べても消化に悪いですし、体の状態によって食べたいものが必要なものだったりします。

偏食はよくないですが、体が正常になってくると自然と偏食が改善する人が多いようです。

味覚だけでなく、嗅覚、触覚、視覚、聴覚で楽しみ、心を満たすことも大切です。

どんなに体に良いとされているものも、いやいや食べていたり満足感がない食事を続けるのはストレスにもなりよくありません。

嫌いな人と食べたり、まずいと思って食べると消化力が落ちてしまいます。

五感を満足させつつ、おいしく食べることを大切にしましょう。

8)自分の体質・今いる土地・体調などを考えて食べる

遊牧民がラクダや羊のミルク、イヌイットの人は生肉だけで生きていけるのは、遺伝的にそうしたものから多くの栄養素を取り込む酵素があるからです。

また、遺伝的に持っていなくても、子どもの頃から食べていることで後天的に体に取り込むことができるようになることもあります。

体に良いというものでも、慣れていないものには体が驚いてしまいます。

わたしは長年アメリカの北東部にいましたが、冬が長く寒いので、体に熱を生みやすい味噌や醤油などの発酵食品を食べても特に体調に問題はありませんでしたが、インドなど熱い地域にいるときはあまり適さないようです。環境、年齢、体質、状態などに合った食事を選ぶことも重要です。

9)複雑な料理法や食べ合わせの悪いものは避ける

日本だと鰻と梅干、アーユルヴェーダでは、牛乳と果物・塩・魚はダメだとされています。

また、熱いものを食べて氷水を飲むなど、熱いものと冷たいものを同時にとる食べ合わせも胃腸に負担がかかります。

ただ、スポーツや肉体労働をしていたり、食欲旺盛な若い人など、消化力が強くなっている人はあまり影響を受けません。

その他、複雑すぎる調理法の食事も消化に負担がかかります。 揚げてから煮る、焼いてから煮るなどする酢豚やビーフシチューなどですね。

でも会食などでごく少量をたまに食べる機会があるようなときは楽しみましょう。

神経質になることで消化力を落としてしまいます。

常食しなければ大丈夫ですし、また常食していても、8)で書いたように食べなれている場合は益になりませんが害にもなりません。

10)6つの味と油を

甘、辛、塩、苦、渋、酸の6つの味をすべて含んだ、少し油分のある食事は細胞での栄養と老廃物の出し入れをスムーズにします。

この活動がスムーズなほど若いとされています。

良質な油を少量は味をよくして、食事をおいしく感じることで消化力も高まります。

以上が体内に毒素をつくらず、老化を防止し、健康(美)をつくる食べ方10ヵ条です。

なんとなく、「毎日同じ時間に、体調に合った、作り立ての温かい、少し油分を含んだ、色々な味の混ざったものを、しっかり噛んで、楽しみながら、腹八分の量を食べる」 でいいのかなくらいの気持ちで実践していくうちに、あなた自身の健康を保つ「正しい食べ方のルール」がわかってきます。

食べるもの・食べ方で私たちの体も心も作られています。

できることから始めてみてはいかかでしょうか 。

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