ガンも肌トラブルも精神疾患を治すのも消化力から
喘息やアトピー疾患などのアレルギー、消化力とは一見関係のないような 精神疾患、ガンのような重篤な病気でも、まず消化力を立て直すことが大切です。
ここでいう「消化力」とは、アーユルヴェーダ医学に基づくものです。
例えば、西洋医学ではガンは手術で腫瘍を取り除くか、放射線や抗がん剤など化学療法で腫瘍をなくそうとします。
でもガンは、異常な細胞(がんとなった細胞)が正常な細胞に置き換わればいい のですから、細胞の代謝が正しく行われるように、まずは消化力を正しく立て直すことから始めます。
これは体のどこに異常があっても同じです。
肌が荒れたときに、クリームや美容液も効果がありますが、大切なのは新しく健康な皮膚がつくられるように代謝を促すことです。
新陳代謝は消化の力ですから、体に現れた異常を根本から解決しようとするなら、肌でも髪でも鬱などの精神疾患でも、まずは消化力を整えることから始めます。
消化力とはなんなのでしょうか?
消化が強いというと、一般的に「胃腸が丈夫」ということだと思われますが、それとは少し違います。
以前のわたしは、自分の消化力が強いと思っていました。
多少悪くなっているものを食べてもお腹を壊したりしないし、ときどき「どこにそんなに入るの?」と驚かれるくらい大食いでした。
でも実は私の消化力は弱いものだったのです。
すぐに疲れてしまう、体が重ダルく感じる、毎年寝込んでしまう重度のスギ花粉症がある。
それは体力の問題だと思っていましたし、花粉が原因だと思っていました。
実際は食べたものがきちんと消化されていないために、体の中に毒素(未消化物)が増えたことが原因でした。
今では、すぐに疲れることはなくなり、花粉の季節でもマスクがいらなくなりました。
胃や小腸は消化と吸収の要です。
食べたものは胃でくだかれ、十二指腸で胆汁や膵液を浴び、様々な消化酵素によって溶かされて、主に小腸で吸収されます。
小腸の中には無数のヒダヒダが並び、そのヒダには1mmの細かな絨毛がびっしりとあって、この1本1本の絨毛はさらに細かい微絨毛で覆われています。
消化された食物をこの微絨毛から取り込むのですが、長さ1ミクロン(1000分の1mm)しかない取り込み口は、人間をスカイツリーに例えても0.4mmしかありません。こんな小さな穴を通過できるまでに砕かれ、消化酵素によって体の一部となれるよう変換された食べ物だけがようやく体内に取り込めるのです。
この変換作業が消化力です。
消化力は強すぎても弱すぎても、消化をうまく行えません。
ご飯を炊くときに、火が強すぎると焦げてしまい、弱すぎると芯が残ってしまうように、消化が正常でなければ体内で毒素となり、肌荒れ、コリ、体調不良、病気の原因となります。
消化力は、不規則な食事、食べ過ぎ、飲みすぎ、夜更かし、運動不足、ストレスによってダメージを受けます。
中でも「食べ方」がもっとも大きなダメージを与えます。
今すぐ誰でも簡単に始められることがあります。
おなら、げっぷ、胸やけ、便秘、下痢、胃酸の逆流など、消化器の不快な症状は、消化力が弱っています。
エネルギーレベル(気力)を上げるためにも、食べ物をよく噛んでください。
ここまで読んでいただいたみなさまにはおわかりのように、 あまり噛まずに飲み込んでしまっては消化が難しくなります。
部分的にしか噛まれていない食べ物は適切に消化・吸収できずに、毒素となって 体の器官系をつまらせ、不快感や病気を引き起こす原因になります。
よく噛んで食べると心の満足度が上がるので、食べ過ぎや体重増加を防ぐことができます。
またよく噛んで唾液としっかり混ぜることは、消化に必要な酵素を生成し、唾液の分泌を増やして口臭予防や老化防止にもなります(唾液には老化防止酵素が含まれている)。
多くの場合、最も効果的な解決法というのは最もシンプルです。
一口30回以上を目安に、食べ物がドロドロになるまで噛んでから飲み込みましょう。
「ドロドロにするぞ」と思いながら食べると、自然と口の中に意識が向いて、しっかりと食べ物を味わえますし、唾液の分泌もよくなり、味覚や嗅覚が鋭くなり、健康法にも美容法にもダイエットにもなります。
特に体調不良などからの回復を必要とする症状がある場合の「消化力を強くする食べ方のコツ」は次回に書きます。