自分の脳だけど、脳っていうことをきかないんですよね。でも自分ではコントロールできていると思っていたり、振り回されたまま気づかなかったりしがちです。
体がダルいと感じるのも、続く痛みも、実は脳が作り出しているだけ、というときがあります。それに気づくと、別にダルくないじゃん、動けるじゃんってなることがあります。
脳に振り回されるとは
ふだんの習慣や生活パターン、過去の記憶などから、「こんな時はこう反応する」と自動的に反応したり、「もうソレはいいんだよ」「もう痛くないんだよ」「もうその習慣はやめたいんだよ」なことを再現する働きが脳にはあります。
実際はダルくないのに、痛みはもうないはずなのに、好きも嫌いも、過去のデータによる脳の判断や自動的な反応だっとしても、まるで自分で考えたり判断したかのように思ってしまいます。
正しい立ち方を教えてもらっても、今までの姿勢が”正しい”と脳は覚えているので「え?これだと前のめりになってない?」「重心がおかしいんだけど?」といった感覚になります。なので、「これが正しい姿勢だよ」と脳に何度も刷り込まないといけません。
脳にとっては今までの習慣や記憶が正しいので、そこに私たちの意思なぞ関係ないのです。
そんな脳の働きに無意識でいると、脳に支配されて生きている状態になります。生きづらいと感じる人は、そのせいかもしれません。
脳に振り回されないようにするには
脳に振り回されないようになる練習は、普段の生活の中でできます。というか、日常生活の中でやらないとできるようになりません。
まずは脳の働きを知って、気づけるようになることが重要なんです。
不安な気持ちになったとき、どうしたらいいかわからなくなったとき、ダルさや痛みで動けなくなったとき、「ん?これは脳か?私か?」と、脳の働きによるものなのか、自分の本心によるものなのか見極めることを意識します。体や心からのSOSサインのときもあるので、それもちゃんと感じて見極めます。
嫌いも好きも、やりたいもやりたくないも、痛いも痛くないも、本当はどうなのか。脳に保存された過去のデータによる判断や感覚で、本当は違うかもしれない。頭で考えるのではなくて、自分の心に意識を向けて聞いてみることを繰り返していくと、脳に支配されるのではなく、コントロールできるようになっていきます。
脳をコントロールする練習
心に聞いてみるって?どうやって?
やり方がわからないときは、自分と向き合う時間を一日一回数分でも持ってみます。瞑想は良い方法ですが、「私は何がしたいのかな」とか「何が好きかな、好きだったかな」と自分自身について思い出したりするのもいいです。
目を閉じて、意識を「頭じゃなく胸の真ん中あたりに下ろして」とイメージして、そこ(胸の真ん中)で考えたり、問いかけたりしてもいいです。
「自分と向き合うって?自分に集中するってどういうことかわからない」と言う生徒さんは、まず体の感覚に集中することをヨガを通して練習します。
最初は感覚がわからなくても、できないんじゃないんです。楽器を始めたり新しいことを学ぶときと同じで、何度か繰り返していると感覚がつかめるようになっていきます。
脳の働きか?自分の考えや感覚か?がわかるようになってくると、起こってもいないことを不安になったりしなくなります。ダルさを吹っ飛ばしてやる気になれたり、あれこれとやらない理由を考えてやらないでいる自分を責める…なんてこともなくなって、本来の自分らしい自分でいられるようになります。
まとめ
私たちの脳はとても強い力を持っていて、「私は病気だ」と病気や痛みを気にしすぎたり、想いを持ち続けると、脳はそれを具体化しようとするので、治るものも治らなくなったり、悪化したりします。
私はこんな人間だ、私にはこれが限界だ、私にはできない、そんなふうに思っていると、その通りの自分になるよう脳は働きます。
脳は主語がわからないので、誰かを褒めた言葉は自分のことだと思うし、誰かを貶したり悪口を言えばそれも自分のことだと思ってその通りの人間になろうとします。
生きづらい、やりたいことがない、考えることが止められなくて疲れる、不安ばかりが浮かんでツラい。脳に自分の人生の支配権を渡しているとそうなります。
脳はよくできた器官ですが、体の一部にすぎません。騙すこともコントロールすることもできます。脳に支配されるのではなく、脳を使えるようになる。
そのために、まずは頭で考えるのをやめて心に聞くことを意識するようにします。心の声を叶えるためにはどうするか、を考えるのに脳は使いたい。
英語でいう、Don’t think!feel.ですね。
目標や目的、こうなりたいという(脳が考えた)自分の欲にとらわれるな。自分の本心に向き合え。という感じでしょうか。
ヨガの教えはそうなるための具体的な方法を示してくれていて、ヨガや瞑想はそうなれるための方法のひとつなのです。